湘南に移住して後悔しないための6つポイント

湘南移住に後悔しないために

青い海や開放的な空気、都心へのアクセスも良好な湘南エリア(藤沢、茅ヶ崎、鎌倉、逗子など)への移住は、多くの方にとって魅力的な選択肢です。しかし、「憧れ」だけで勢いよく引っ越すと、都心とは違う地域特有のリアルなデメリットに直面し、後悔することになりかねません。

この記事では、湘南移住を成功させるため、移住前に知っておくべき「6つのポイント」を実際に湘南エリアに住み、地元の生活事情に詳しいファイナンシャル・プランナーが解説します。

行政上の「湘南地域」は、藤沢市、茅ヶ崎市、平塚市を中心とした5市3町(秦野市、伊勢原市、大磯町、二宮町、寒川町)を指しますが、一般的に「湘南」としてイメージされるエリアはより広く、この記事では鎌倉市、逗子市、葉山町といった三浦半島側の海沿いのエリアも含めて、湘南エリアとして解説します


目次

湘南移住で後悔しないためのポイント

ハザードマップの確認

引地川と水害

ハザードマップは、その土地の災害リスクの高さを示す重要な情報であり、湘南移住を検討する上で最も重要なチェックポイントです。

湘南移住を後悔しないためには、ネガティブなリスクも把握しておく必要があります。

各自治体のホームページから誰でも確認できますので、希望する土地の災害リスク(津波、洪水、土砂災害など)を必確認しておきましょう。

  • 海沿いの低地:津波や高潮のリスクが高いため、避難経路、高台へのアクセス、火災保険・地震保険の内容を注意深く検討する必要があります。
  • 山沿い:土砂災害(がけ崩れなど)のリスクを確認し、対策を考えます。
  • 子どもの避難場所:小学校や保育園などの避難場所を事前に確認し、家族全員で共有しておくことが不可欠です。

塩害や海風と砂

湘南の海風のテラス

海沿いの住まいは、海から吹く塩分を含んだ風により「塩害」が発生しやすいのが特徴です。海から1km程度までは影響があるエリアもあります。この塩害対策を怠ると、湘南移住の後悔の一つになるかもしれません。

  • エアコンや給湯器:外に置くエアコンの室外機や給湯器などは、メーカーが提供する「耐塩害仕様」や「耐重塩害仕様」の設備などを検討しましょう。
  • メンテナンス:家の周りに水道を設置し、風が強かった日の翌日などは、家や車に付着した塩分や砂を定期的に洗い流しましょう。
  • 洗濯物:潮風が直接当たる住まいでは洗濯物が乾きにくいため、基本的に室内干しのスペース確保が必要です。
  • 特殊設備:太陽光発電パネルやガス給湯器等は、塩害の影響で設置できない、または保証対象外となる場合があります。導入を希望する場合は、事前にメーカーや業者に確認しましょう。

都心までのアクセスと夏の渋滞

134号と渋滞と江ノ電

毎日ラッシュ時に都心へ通勤する場合、体力的な負担は相当なものになります。

実際に湘南エリアに暮らす人も、フレックス制度やリモートワークができる制度を利用したり、地元で働く方が多いです。都心への通勤を考える場合、そうした制度が利用できるのかも確認しましょう。

また、夏の交通渋滞は、国道134号線沿いだけでなく内陸部まで及びます。

GWや週末の江ノ電の混雑や、観光名所近隣でのゴミ問題なども発生します。

オンシーズンにどの程度人の動きがあるのかを、地元住民や不動産会社に確認すると安心です。

家賃・生活コストが高い

藤沢、辻堂、鎌倉、逗子など、都心アクセスが良い駅や海に近い人気エリアは、物件価格や家賃が神奈川県内でもトップクラスに高くなります。

予算オーバーで生活が苦しくなると、湘南移住後悔する要因になりかねません。

  • 住宅コスト:家賃や塩害対策や耐風・耐震対策の費用や保険も考慮が必要です。
  • 外食費:観光地価格として割高になる傾向があります(一部地域)
  • 交通費:江ノ電は割高です。小田急線は小児用ICカード利用時のこども運賃が一律50円など、子育て世帯に優しいサービスもあります。
  • 予算が厳しい場合:茅ヶ崎や平塚の郊外など、比較的リーズナブルなエリアも候補に入れると良いでしょう。

建築制限や景観条例

大船観音

歴史的な建造物や自然豊かな湘南エリアでは、建築制限や景観条例が定められている地域が多くあります。思い通りの家が建てられないと、家づくりで後悔するかもしれません。

  • デザインや素材のルール:自由設計で家を建てたい方は、使用できるデザインや素材、色など細かいルールがないか、事前に自治体へ確認が必要です。
  • 住民協定:自治会独自のルール(住民協定)も存在します。住みたい町の「地名」と「住民協定」で検索し、地域住民の意識を事前に参考にしましょう。

人気エリアならではの学校問題

八部運動公園

「自然の中で子育てをしたい」と湘南に移住する子育て世帯が増えている一方で、一部の人気エリアでは教育環境の問題も顕在化しています。

  • 過大規模校(マンモス校):藤沢、辻堂、湘南台などの人気エリアでは、子どもの人数増加により過大規模校が発生している場合があります(プレハブ校舎等)ので子どもの学ぶ環境にこだわる人は事前に対象学区を調べ確認しておきましょう。
  • 教育方針のリサーチ:エリアによっては中学受験を考える世帯も多いため、ご家庭の教育方針を考え、進学塾までの距離などもイメージしておくと安心です。

まとめ/湘南移住で後悔しないために

平塚の桜

湘南移住で後悔しないためには、デメリットを事前に理解し、適切な対策をすることで、後悔するリスクを大幅に減らすことができます。この6つのチェックポイントをクリアし、素晴らしい湘南ライフを実現してください。

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